中国

2006年4月16日 (日)

悲しく、そして怖くなった/花売りの幼児たち

実は先日まで、仕事で中国の上海にいました。ご存知の通り、上海は中国で、いや世界で最も発展して、活気のある大都市です。感覚的には東京以上に発展する印象を受けました。
上海の現地の知人と、日本料理店で食事をしました。日本の普通の居酒屋レベルという感じでした。(ただ、中国では高いレベルのお店かもしれません)
飛行機の到着が遅かったこともあり、店を出るのは10:40頃だったと思います。
出ると、道端から、4~6歳程度の女の子と、その弟?と思われる4歳程度の男の子が駆け寄ってきました。
「ワアーーーー(翻訳不能)」と叫びながら・・・
何かと思うと、花を買って~~!と言っている(現地の人の訳)。持っているのは、小さな造花。
そう、この子たちは花売りの子供たちなのです。
言葉が分からないので事業は分かりませんが、一緒にいた現地の知人は、いつものことらしく、怒鳴って追い返していました。

しかし、ワアーと駆け寄ってくる姿が、ほぼ同じ年齢の娘を彷彿とさせ、もう11時にもなるこんな夜中に、なぜ、幼稚園程度の子供が花売りをしているのか。その背景を考えると、なんだかとても悲しい気分になりました。
どういった理由で、こんなことをしているのか、繁栄している上海とは言え、日本の物価などと比べると格段に安く、つまり日本人は上海では金持ちです。故に、それを狙ったひとつの「ビジネス」なのかも知れません。
しかし、11時、もう子供は寝なければいけない時間です。しかし、おそらく、この子たちは、12時過ぎまで仕事をしているのかも知れない。なんだかやりきれない
いったい誰がこんな仕事をさせているのか?こんな上海の中心部の飲食店に、幼児を2人置き去りで仕事をさせている。親なのか、それともそういった業者がいるのか。いずれにせよ、ぞっとする話です。決して安全では無い街中に幼児だけ置いていく、考えられない。
今日、帰国して、我が家の娘を寝かしつけました。時間は午後8時。手を繋ぎ、寝る娘を思いながら、花売りの事を思い出すと、やはりとても悲しいなと思いました。
そして、今回、花を買うべきだったのか、買わないべきだったのか。買うことにより、この子たちは救われるのだろうか?買わないことにより、この子達が怒られたり虐待されたりすることは無いのか。少なくとも、この歳頃では、売った花の何割かがお小遣い、なんてことだけは100%ないと思います。しかし、仮に買ったとしても、なんらこの問題は解決しないかもしれません。
また、花の値段は分かりませんが、コスト的に考えれば10元以下(150円以下)、せいぜい高く売りつけても100元と仮定しても1500円。そんな感じなのではないでしょうか。
中国・上海には実は乞食がたくさんいます。しかし、それを見てもなんら感じませんでした。それは、乞食というのはある意味立派な職業で、実は楽な稼業と聞いていたからです。見た目にもそう感じました。
しかし、この子たちの仕事は、違います。自らの意思では無い、そして、この時間に起きているということは、必然的に幼稚園などに行く時間は無いということ、これだけははっきりしていると思います。
人間には年齢に応じて役割・義務があると思います。大人には「働くこと」、子供には「勉強すること」、そして幼児には「遊ぶこと」。幼児が働くということは、あってはいけないことではないかと思います。
今回、唯一の救いは、子供たちが笑顔で悲壮感が無い(笑顔は無理やり作っているのかもしれませんが)、見た目には痩せこけていなかった事でしょうか。あまりたいした救いではないかもしれないけど。

そして怖くなりました。怖い理由は2つあります。
今、中国では貧富の差がものすごく広がっています。この姿は、今、日本が進めているグローバルスタンダード、勝ち組と負け組の完全競争社会。それ自体はどうこう言うつもりはありません。しかし、上海ではっきり感じたのは、間違いなく、今回の花売りの幼児という光景が、日本でも起き得るのではないかという事です。
そして、今一番怖く感じている事は、今回の出来事に、悲しいとかむなしいとか思うのでは無く、何事も無かったかのように、自分が「何も感じなくなってしまう」のでは無いかということです

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